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エステラーゼAS-D染色キット

エステラーゼAS-D染色キット
エステラーゼAS-D染色キット
定価5,400

血液疾患、特に由来の不明な未分化細胞が多数出現する急性白血病の病型分類には細胞組織化学染色が重要な手掛かりを与える場合が多い。Esterase染色もその1つであるが血液細胞学的に問題となるのは非特異的Esterase染色である。染色法には金属塩法やアゾ色素法等があるが、塗抹標本ではもっぱら後者の方法が広く用いられている。非特異的Esterase染色の中では単球系細胞に比較的強い反応を示しNaFで阻害を受けるα-Naphthyl buthyrateを気質としたものと、骨髄系細胞に強い反応を示すNaphthol AS-D chloroacetateを基質としたものとが代表的である。急性骨髄単球性白血病の診断には両者の基質を用いた二重染色方法を実施するとさらに鑑別の確実さが増すと言われる。

JANコード4517715157029
品番15702
商品名エステラーゼAS-D染色キット
包装10回
製造日数0
規制他冷労P
使用期限8ヶ月

キット内容 エステラーゼ染色キットと共に用いると二重染色を行えます。

キット内容(10回分)
ナフトールAS-D クロロアセテート1mg × 5 本
Fast Blue RR Salt5mg × 5 本
M/15 リン酸緩衝液pH 7.450ml × 1
N.N −ジメチルホルムアミド5ml × 1

染色原理 アゾ色素法

染色原理 アゾ色素法

特異的エステラーゼ染色操作:(3)Naphthol AS-D chloroacetate Esterase 染色

固定(注1)固定液に浸漬または満載4℃ 30秒
水洗(注2)流水水洗、乾燥30秒
染色(注3)反応液を満載37℃
30~40分
水洗流水水洗、乾燥10~30秒
核染(注4)カラッチ・ヘマトキシリン染色10~15分
水洗・色だし(注5)流水水洗(温水浸漬)5分
乾燥冷風 
封入鏡検グリセリンゼラチンで封入またはノーカバーレンズ 

試薬の調整 使用時調整

・反応液:使用直前にB 液バイアルにA 液を入れ蓋をし軽く転倒混和する。
・A 液:Fast Blue RR Salt 1バイアルをM/15 リン酸緩衝液(pH7.4) 9.5ml で溶解する。
・B 液:Naphthol AS-D chloroacetate 1バイアルをN.N-ジメチルホルムアミド0.5ml で溶解する。

注意点とコツ

注1:
1) キットの中の固定液50 mlは丸型染色ドーゼ(バット)に移し、蓋をきちんとして冷蔵庫保存して置くと良い。毎回冷蔵庫から取り出しすぐ使用でき便利である。
2) 固定は固定液に標本を浸漬または標本上に固定液を満載どちらでもよい。
3) 固定時間が短いと溶血を起こし長過ぎると反応が低下することがあるので注意。
注2:水洗は流水で標本上に固定液が残らないように充分行い乾燥する。
注3:反応液は染色直前に混和する。結晶が析出しやすいため、湿潤箱に染色する標本をフラン器内に用意してからあらかじめ調整してあったA 液とB 液を混合し標本上に満載する。
注4:核染色(後染色)は細胞数に応じ時間を調整する。
注5:色だしは流水のみでもよいが軽く流水水洗し約60℃の温水に漬け色だしすると核染色が鮮明になり、より陽性顆粒が見やすい。
注6:有機溶媒で陽性顆粒が消失するため標本直接の油浸鏡検は厳禁である。グリセリンゼラチンで封入しカバーガラスの上から油浸にするかノーカバーのレンズを使用し鏡検する。
注7:結晶が析出しやすいため成績の判定は慎重に行う。
例:この反応は骨髄系細胞に特異的に反応するので正常リンパ球は陰性だが結晶が析出しリンパ球に陽性顆粒(多くは均一に染まる?)が見られたらそれを対照により強く反応(多くは不均一な陽性態度を示す)しているものを陽性としたほうがよい。
結晶が析出し判定が困難な場合は、新しい標本で再度染色をやり直す。

特異的Esterase 染色の判定

・N-ASDCLAE染色(naphthol AS-D chloroacetate + Fast blue RR)
陽性態度:青色
【陽性有無】

骨髄芽球(-)~(+)
前骨髄球
骨髄球
後骨髄球
(+)~(3+)
好中球(+)~(3+)
好酸球(−) ~(±)
好塩基球(−)

単球(-)~(±)
リンパ球(-)
形質細胞(-)
細網細胞
(-)
赤芽球(-)
巨核球(-)
血小板(-)

特異的Esterase染色(N-ASD-CLAE染色)

特異的Esterase染色(N-ASD-CLAE染色)
※標本枚数が足りない場合や染色目的によっては、必要な染色の組み合わせのみ実施する。

二重染色操作

固定(注1)固定液に浸漬または満載4℃ 30秒
水洗(注2)流水水洗、乾燥(冷風)30秒
染色−I(注3)
A,B,C,D の標本用意

AとC標本に(1)、BとD標本に(2)の反応液を各々満載

37℃、
30~40分
水洗・乾燥流水水洗、乾燥(冷風)10~30秒
核染−II(注4)C とD 標本にNaphthol AS-Dchloroacetate反応液を満載37℃、
30~40分
水洗(注5)流水水洗、乾燥(冷風)10~30秒
核染カラッチ・ヘマトキシリン染色
A ~D の標本
10~15分
水洗・色だし流水水洗
*(温水浸漬)
5 分
乾燥
冷風
封入・鏡検(注7)グリセリンゼラチンで封入
またはノーカバーレンズ使用

注意点とコツ

注意点とコツ
・注意1~7はエステラーゼ染色1, 2と同様。
・染色I、IIの反応液は染色直前に調整すること。
*温水で色だしをする場合は核染色液を軽く流水水洗し温水に浸漬する。水洗しないで温水に漬けると色調のコントラストが不充分になる。
エステラーゼ二重染色:急性骨髄単球性白血病(AML・M4)例

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