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ギル・ヘマトキシリン5

ギル・ヘマトキシリン5
ギル・ヘマトキシリン5
定価15,400

パパニコロウ染色は、Papanicolaou によって発案された染色方法で、核をヘマトキシリンで染色し細胞質は分化度合いによってオレンジG、エオシンY、ライトグリーンにて染分けます。また核内クロマチン構造および細胞質を透明感がありながら鮮明に染色できるため重積した細胞集塊をも観察が容易な利点があり、細胞診断には必要不可欠な染色方法です。

JANコード4517715200336
品番20033
商品名ギル・ヘマトキシリン5
包装2L
製造日数0
規制他
使用期限10ヶ月

染色の原理

ヘマトキシリンによる核染色

1)ヘマトキシリンの染色メカニズム
ヘマトキシリン色素自体は染色能を持たない黄色調の色素ですが、ヨウ素酸ナトリウムによる酸化(ヘマティン)と媒染剤との結合(ヘマティン‐媒染剤結合)により正(+)に荷電し、負(−)に荷電する細胞核のリン酸基やカルボキシル基とイオン結合し染色されるようになります。
2)分別核染色後の標本を酸(H)に浸すと、細胞質に結合しているヘマティン- 媒染剤結合物と水素イオン(H )が入れ替わり、細胞質部分が脱色されます。
3)色出しヘマトキシリン染色液のpH 値は酸性で、染色直後の核の色調は赤褐色を呈しています。これを水洗やアルカリにより標本のpH 値を高くすると核の色調は青色から青藍色を呈するようになります。これにより、細胞質染色に用いられるオレンジG、エオシンY、ライトグリーンとのコントラストのバランスが良くなり明確に核内構造が観察可能になります。

オレンジG-6 染色液とEA-50 染色液による細胞質染色

1)パパニコロウ染色による細胞質染色は、色素の透過性として色素分子の大きさと細胞質の構築密度が大きく関与しています。色素分子はオレンジG(mw452.372)<エオシンY(mw691.863)<ライトグリーン(mw792.863) の順で大きくなり、最も小さなオレンジG は構築密度の高い角化細胞へ浸透し染色し、最も大きなライトグリーンが密度構築の低い基底細胞や中層細胞へ浸透し染色します。分子の大きさが中間のエオシンY はオレンジG とライトグリーンの中間の挙動を取り、表層細胞へ浸透し染色されると考えられています。
2)オレンジG-6 染色液(オレンジG)とEA50 染色液(エオシンY、ライトグリーン)に使用されている色素はカルボキシル基やスルホン酸基を有し酸性色素に分類され負(−)に荷電しています。これに対し、細胞質はアミノ基を有し正(+)に荷電していますので、染色原理としてイオン結合も関与していると考えられています。

染色手順

固定95%アルコール30分以上
親水化50%アルコール1分
水洗流水水洗1分
核染色ギル・ヘマトキシリンV(2倍希釈)2分
洗浄流水水洗1分
分別0.2%塩酸 70%アルコール1分
洗浄流水水洗1分
洗浄1.5%アンモニア水 70%アルコール1分
脱水70%アルコール1分
脱水95%アルコール1分
細胞質染色OG-61分
分別95%アルコール1分、2槽
細胞質染色EA-502分
脱水100%アルコール1分、5槽
透徹キシレン1分、3槽
封入マリノール-

染色の注意点

・固定は、検体塗抹後に細胞を乾燥させないように1秒以内に行うことが重要です。細胞の乾燥により、核の膨化などが生じ、正確な細胞診診断が行えない不具合の原因になります。
・核染色後の分別および色出しは十分に行う。細胞質染色とのコントラストのバランスが悪くなる原因となります。
・コンタミネーション防止の為、ヘマトキシリン液は使用前に毎日濾過を行うことが肝要です。
・分別液および色だし液は毎日交換することをお勧めします。

試薬の調整

 ギルヘマトキシリン?は原液使用でも使用可能ですが、2 倍に希釈し使用されることをお勧めします。
[分別液濃度との関係]
2 倍希釈ギル? : 0.2% 塩酸70% アルコールにて分別 原液ギル?  : 0.5% 塩酸70% アルコールにて分別

染色結果

染色結果
核: 青藍色
重層扁平上皮: オレンジ色~ピンク色~濃青緑色
表層細胞: 橙赤色~ピンク色
中層細胞: 淡青緑色
深層細胞: 青緑色~濃青緑色
腺上皮細胞、中皮細胞、移行上皮細胞: 淡青緑色~青緑色
赤血球: 赤色~青緑色

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