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ALP基質原液

ALP基質原液
ALP基質原液
定価4,500

アルカリホスファターゼ(Al-P)酵素は体内の諸器官に広く分布し血液中の白血球、特に好中球の顆粒のうちミクロゾームに多く含まれる。個々の好中球により陽性度に相違が見られる。本酵素の活性の増減は種々の病態で一定の変化を示すため各種疾患の鑑別診断の補助手段として有用である。但し、好中球以外の細胞は大部分陰性で細胞の鑑別・同定には不向きである。
本酵素活性の至適pH は8 ~10 とアルカリ側にあり染色法には金属法とアゾ色素法があるがアゾ色素法が広く実施されている。また、アゾ色素法の中で国際標準化委員会では朝長法とKaplow 法を推奨している。

JANコード4517715852535
品番85253
商品名ALP基質原液
包装10ml×10
製造日数2
規制他
使用期限1年

キット内容

キット内容(15回分)
固定準備液10ml × 2 本
基質原液10ml × 5 本
Fast Blue RR Salt10mg ×5 本
1%サフラニンO10ml × 5 本

染色の目的・臨床的意義

主に慢性骨髄性白血病と類白血病との診断鑑別

Al-P 酵素は成熟好中球と一部の細網細胞に陽性を示すほかは大部分陰性である。好中球系細胞は成熟が進むにつれ陽性度が増すが未治療の慢性骨髄性白血病では特異的に低値を示すため診断に有力である。

特長

・基質原液、呈色試薬の調整が省け、従来より操作が簡便です。
・試薬の純度が高く長期間安定です。
・再現性が良く緊急の場合、少数例についても随時検査が可能です。
・色素の溶解がよいです。
・耐久性がよく、製造時より6ヶ月間有効です。

NAP 活性値(score)と疾患

1. NAP 活性低値を示す疾患
・慢性骨髄性白血病の慢性期(感染症の合併や急性転化時には高値)
・発作性夜間血色素尿症
・先天性低(無)ホスファターゼ血症
・時に低値:AML(ことにM2)やMDS の一部、原発性骨髄線維症の一部など
2. NAP 活性高値を示す疾患
・慢性骨髄増殖性疾患:真性多血症や原発性骨髄線維症の多く、慢性好中球性白血病
・慢性類白血病反応をきたす疾患:重症細菌感染症、悪性腫瘍(癌)の末期
・汎血球減少症を示す再生不良性貧血 など

染色原理(アゾ色素法)

染色原理(アゾ色素法)
成熟好中球アルカリホスファターゼ(NAP)はリン酸エステルを加水分解するアルカリ側に至適pH をもつ酵素で基質にNaphthol AS-MX phosphate、ジアゾニウム塩にFast blue RR を用いるとFast blue RR はナフトールと反応し青色調の不溶性アゾ色素となり発色する。

染色操作・朝長法

固定(注1)固定液に浸漬または満載− 3~− 5 ℃、5秒
水洗(注2)流水水洗30秒
染色(注3)反応液を満載37℃、120分
水洗(注2)流水水洗10~30秒
核染サフラニンO液2分
水洗(注2)流水水洗10秒
乾燥冷風 
鏡検(注4)グリセリンゼラチン封入またはノーカバーレンズ使用(1000 倍観察)

注意点とコツ

注1:
1) 塗抹標本は原則として抗凝固剤無添加血を使い3 枚ほど作成する。やむおえず抗凝固剤加血を使用する場合は抗凝固剤により酵素が不活性化されやすいので採血後出来るだけ速やかに塗抹標本を作製すると同時に健常人の抗凝固剤加血でも対照標本を作成する。
2) 固定条件は成績に大きく影響を及ぼすため固定温度および固定時間は厳守
3) 固定液は常時調整したものを冷凍室保存して置き必要に応じ使用する
4) 塗抹後固定までの時間は30 分以内が望ましい。時間と共に酵素は失活する。固定後、室温で3 日間は陽性度に変化は見られない。冷蔵庫保存では若干の低下が見られるが2 ~3 週間は保存できる。この場合も健常人の対照標本と共に保存して置くとよい。
5) 塗抹後、標本は充分乾燥させること。乾燥が不充分だと塗抹面が剥がれ易い。
注2:水洗は常に静かに丁寧に行う。固定時間が短いため強くすると塗抹面が剥がれてしまうことがある。特に固定後の水洗は固定液が残らないように充分水洗する。
注3:染色は塗抹標本2 枚行うと良い。健常人対照標本も同時に染色する。染色時間が長いので湿潤箱の湿潤状態を持続できるようする。
注4:
1) 有機溶媒で陽性顆粒は退色するためグリセリンゼラチン(エステラーゼ染色キットと兼用できる)で封入するかノーカバーレンズで観察する。2 枚染色し一枚を油浸での観察用、もう一枚を保存用にしてもよい。
2) 好酸球や好塩基球が多数出現する標本の観察は慎重に行う

試薬の調整

1. 固定液:固定準備液1アンプル(10ml)にメタノール 90mlを加え混和する→ 蓋のある容器で冷凍室に保存する。
2. 反応液(使用時調整):基質原液1 アンプル(10ml)でFast blue RR salt 1 バイアル(10mg)を溶解する。

NAP染色判定法〔陽性態度と判定法・基準値〕

NAP染色判定法〔陽性態度と判定法・基準値〕
・陽性態度:青色調の顆粒
・判定の仕方
(1)陽性率rate(%):好中球(桿情核+分葉核)100個中の陽性比率
(2)陽性指数score:好中球100個の活性度合いを点数化しその総和値
※臨床的には陽性指数が重要となる。
・>基準値(NAPscore):
陽性率rate  60~100% (朝長らによる)
陽性指数score 170~370

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