注1:
1) 塗抹標本は原則として抗凝固剤無添加血を使い3 枚ほど作成する。やむおえず抗凝固剤加血を使用する場合は抗凝固剤により酵素が不活性化されやすいので採血後出来るだけ速やかに塗抹標本を作製すると同時に健常人の抗凝固剤加血でも対照標本を作成する。
2) 固定条件は成績に大きく影響を及ぼすため固定温度および固定時間は厳守
3) 固定液は常時調整したものを冷凍室保存して置き必要に応じ使用する
4) 塗抹後固定までの時間は30 分以内が望ましい。時間と共に酵素は失活する。固定後、室温で3 日間は陽性度に変化は見られない。冷蔵庫保存では若干の低下が見られるが2 ~3 週間は保存できる。この場合も健常人の対照標本と共に保存して置くとよい。
5) 塗抹後、標本は充分乾燥させること。乾燥が不充分だと塗抹面が剥がれ易い。
注2:水洗は常に静かに丁寧に行う。固定時間が短いため強くすると塗抹面が剥がれてしまうことがある。特に固定後の水洗は固定液が残らないように充分水洗する。
注3:染色は塗抹標本2 枚行うと良い。健常人対照標本も同時に染色する。染色時間が長いので湿潤箱の湿潤状態を持続できるようする。
注4:
1) 有機溶媒で陽性顆粒は退色するためグリセリンゼラチン(エステラーゼ染色キットと兼用できる)で封入するかノーカバーレンズで観察する。2 枚染色し一枚を油浸での観察用、もう一枚を保存用にしてもよい。
2) 好酸球や好塩基球が多数出現する標本の観察は慎重に行う