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L型酒石酸

L型酒石酸
L型酒石酸
定価3,600

JANコード4517715130213
品番13021
商品名L型酒石酸
包装056.25mg×10
製造日数2
規制他
使用期限1年

染色の目的・臨床的意義

各種血液細胞とも陽性を示すものが多く陽性態度などからも特異性は弱い。臨床的意義は現在のところ確定的なものはないが以下に示すようなものに利用されている。
1.Hairy cell leukemia にL 型酒石酸抵抗試験と組み合わせ補助診断として利用する。現時点では抵抗性のない症例や他の疾患で抵抗性を示すものなどの報告もあり本染色の情報は有力ではあるが確定的ではない。
2.リンパ球の局在性陽性など染色性の相違によりリンパ球Subpopulation の分類に利用される。
3.その他、治療前のCML 好中球や多発性骨髄腫の異常形質細胞のAC-P 活性度が高くなるなどの報告も見られる。

染色原理

染色原理

酸性ホスファターゼ染色操作および、酒石酸抵抗試験

固定(注1)固定液に浸漬または満載11~12℃、20~25秒
水洗(注2)流水水洗30秒
染色(注3)反応液(1)(2)満載37℃、4~5時間
水洗流水水洗30秒
核染カラッチ・ヘマトキシリン染色10~20分
水洗(注2)流水水洗(温水浸漬)5分
乾燥冷風 
鏡検(注4)グリセリンゼラチン封入またはノーカバーレンズ使用 

注意点とコツ

注1:
1) 塗抹標本は作製後30 分以内に固定することが望ましい。固定後は24 時間以内に染色する。
やむをえず染色が不可能な場合は固定後冷凍庫保存で1 週間後でも染色は可能。この場合は正常対照標本も用意する。
2) 固定温度は11 ~12℃で行う。それ以下だと溶血が生じ、それ以上だと発色不良となる。冷蔵庫から取り出した固定液に温度計をいれ規定温度になったところで標本を浸漬する。
注2:
1) 固定液や反応液が残らないように丁寧に流水水洗する。
2) ヘマトキシリンでの核染色後の水洗は他の染色同様、軽く流水水洗し温水での色だしをする。
注3:
1) 標本を2 枚用意し?酸ホス染色、?酒石酸抵抗試験を同時に行う。また正常対照標本も同時に行うと良い。
2) 染色に長時間要するため湿潤箱内で染色する。
注4:他の酵素反応と同様、有機溶媒で退色するため注意。

試薬の調整

1. 固定液:固定液50ml を蓋つき丸型染色バットなどに移し冷蔵庫に保存する。
2. 反応液?:使用時調整・反応液1 アンプル(5ml)をFast red Violet LB salt 1 バイアル(3mg)に加え溶解する。これに10%塩化マンガン液1 滴を加え混和する
反応液?酒石酸抵抗用:L 型酒石酸1 バイアルを反応液で溶解しFast red Violet LB salt さらに塩化マンガン液を1 滴加える。

酸性ホスファターゼ判定法

陽性は紅~暗赤色の顆粒が細胞によって散在性や局在性に分布する。好中球など骨髄系細胞は小~中等度の陽性顆粒が細胞質内に密に分布する。
リンパ球は陽性のものと陰性のものがありT 細胞では粗大顆粒がゴルジー野に局在するものが多くB 細胞では比較的細かい顆粒が散在性に見られる場合がある。また、単球は好中球よりも強い反応を示す。
 Hiary cell leukemia が疑われた場合は酒石酸抵抗試験を行い抵抗性があれば確定的ではないが可能性大である。

陽性有無と酒石酸抵抗態度

陽性有無と酒石酸抵抗態度
 陽性有無酒石酸抵抗試験
骨髄芽球(-)~(+)(-)
前骨髄球
骨髄球
後骨髄球
(+)~(3+)(-)
好中球(+)~(3+)(-)
好酸球(3+)(-)
好塩基球(±)~ (+)(-)
単球(2+) ~(3+)(-)
リンパ球(-)~(2+)
(局在性・散在性)※2
(-)~(+)※1
形質細胞(3+)(-)
細網細胞(3+)(-)
赤芽球(+)~(2+)(-)
赤血球(-)~(+)(-)
巨核球(2+) ~(3+)(-)
血小板(+)(-)
※1 酒石酸抵抗試験  (-):抵抗性なし (+):抵抗性あり
リンパ球で抵抗性の認めるものは、主にHairy cell(腫瘍性細胞)で欧米型は強い抵抗性を、日本型は弱い抵抗性(または抵抗性がない)を示すものが多い。
※2 局在性に数個の粗大顆粒状陽性はT細胞に散在性に多数の微細顆粒状陽性はB細胞系に多く見られる。

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