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α-NAエステラーゼ染色キット

α-NAエステラーゼ染色キット
α-NAエステラーゼ染色キット
定価7,800

血液細胞内に証明されるエステラーゼは、使用する基質によって非特異的エステラーゼ(比較的短鎖のエステルを加水分解)と特異的エステラーゼ(比較的長鎖のエステルを加水分解)に区別されることは周知のとおりであります。弊社では、非特異的エステラーゼ染色用として、α-Naphthyl buthyrate esterase染色キット、特異的エステラーゼ染色用としてNaphthol AS-D chloroacetate esterase染色キットを発売して参りましたが、この度、α-Naphthyl acetate(α-NA)を基質に用いた、非特異的エステラーゼ染色試薬「α-NAエステラーゼ染色キット」を新たに発売することになりました。
この「α-NAエステラーゼ染色キット」は国際血液標準化委員会標準法に準拠しており、単球・マクロファージ系、巨核球系の細胞鑑別に極めて有用な染色キットと確信致します。

JANコード4517715157517
品番15751
商品名α-NAエステラーゼ染色キット
包装15回
製造日数2
規制他危劇冷労P
使用期限6ヶ月

キット内容

キット内容(15回分)
α -Naphthyl acetate(α -NA)10mg/vial × 5 本固定液50ml × 1 本
4%Pararosaniline 溶液0.3ml × 5 本0.1M リン酸緩衝液(pH7.2)50ml × 1 本
4% 亜硝酸ナトリウム溶液3ml × 5 本カラッチヘマトキシリン液50ml × 1 本
EGME7ml × 1 本 

品番品名容量価格
15751α -NAエステラーゼ染色キット
(冷蔵庫保存、有効期限:製造後6ヵ月)
15 回分¥6,500

特徴

1) α-NAを素質に用いた場合、巨核球と強く反応する特性を持つため急性巨核芽球性白血病(M7)の診断んに有効である。
2) AMoL、AMMoLにおいてはα-NBよりむしろ高い陽性率を示す場合が多い。
3) リンパ球の Subpopuration の分類に利用できる。

原理

原理

非特異的エステラーゼ染色操作:(2)α -Naphthyl acetate Esterase 染色

固定(注1)固定液満載10~30秒 4℃
水洗(注2)流水水洗30秒
染色(注3)反応液を満載60分 室温(20~25℃)
水洗流水水洗60秒
核染(注4)カラッチ・ヘマトキシリン染色10~20分
水洗・色だし(注5)流水水洗(温水浸漬)5分
乾燥冷風 
封入鏡検グリセリンゼラチンで封入またはノーカバーレンズ 

注意点とコツ

注1:
1) キットの中の固定液50 mlは丸型染色ドーゼ(バット)に移し、蓋をきちんとして冷蔵庫保存して置くと良い。毎回冷蔵庫から取り出しすぐ使用でき便利である。
2) 固定は固定液に標本を浸漬または標本上に固定液を満載どちらでもよい。
3) 固定時間が短いと溶血を起こし長過ぎると反応が低下することがあるので注意。
注2:水洗は流水で標本上に固定液が残らないように充分行い乾燥する。
注3:
1) α-NA が結晶化している場合もあるが問題はない。バイアル壁に付着している時はバイアルを横にして全て溶解する。
2) B 液は調整後必ず1分放置しつぎの操作を行う。
3) 亜硝酸ナトリウム溶液はアンプルを開封後の保存は不可能なため一回毎に捨てること。
4) 反応液は調整後直ちに使用する。
5) 反応は室温で行う。37℃では過染され見にくい標本となる。
注4:核染色(後染色)は細胞数に応じ時間を調整する。
注5:色だしは流水のみでもよいが軽く流水水洗し約60℃の温水に漬け色だしすると核染色が鮮明になり、より陽性顆粒が見やすい。
注6:有機溶媒で陽性顆粒が消失するため標本直接の油浸鏡検は厳禁である。グリセリンゼラチンで封入しカバーガラスの上から油浸にするかノーカバーのレンズを使用し鏡検する。

*α -NAE・NaF 阻害試験:α -NBE で使用するNaF(4.5mg入り)1 バイアルを反応液3ml で溶解しα -NAE と同様の染色操作を行う。
*α -NAE 染色はα -NBE と同様の染色性を示すが巨核球系細胞により強く反応する特性があり急性巨核芽球性白血病(M 7)の診断に有効とされる。但し、びまん性の陽性態度を示すため弱陽性細胞についての判定が困難なものが多い。

試薬の調整 使用時調整

反応液:A 液にB 液を添付スポイトで加え混和する。
A 液:α -NA をEGME1ml で良く溶解する。そのバイアルにリン酸緩衝液を9ml 加え軽く転倒混和する(乳濁する)。
B 液:Pararosaniline バイアルに亜硝酸ナトリウム(0.3ml)を加え軽く混和。
1 分間放置後使用する

非特異的Esterase 染色の判定

[陽性態度]非特異的Esterase染色
1. α-NBE染色(α-Naphthyl butyrate + Fast garnet GBC)
陽性態度:赤褐色~茶褐色の顆粒状陽性
2. α-NAE染色(α-Naphthyl acetate + Pararozaniline)
陽性態度:赤褐色(びまん性に近い)
3. α-NBE(またはα-NAE)染色+ NaF阻害試験:
単球系細胞はNaFにより本酵素活性が強く阻害される。

[陽性有無とNaF阻害態度※]
 陽性有無NaF阻害試験
骨髄芽球(-)~(±)(-)~(+)
前骨髄球
骨髄球
後骨髄球
(-)~(±)(-)~(+)
好中球(-)~(+)(-)~(+)
好酸球(-)~(±)
好塩基球(-)~(±)
単球(-)~(3+)(-)
リンパ球(-)~(+)(+)
形質細胞(-) ~(2+)(+)
細網細胞(2+)~(3+)(+)
赤芽球(-) 
巨核球(+)~(3+)(+)
血小板(±) 
※NaF阻害試験 (-)阻害される (+)阻害されない

単球のα -NBE 染色種々

単球のα -NBE 染色種々

非特異的エステラーゼ染色の判定法と染色法の選択

エステラーゼ染色の判定は、染色法や染色目的によって異なる。一般的には、陽性率で報告するが、特に非特異的エステラーゼ染色では基質特異性がなく、種々の細胞が陽性を示すため、細胞により陽性度合いが異なることを利用し、陽性率と陽性度の成績を併記して(score値を算出しないで弱陽性X%、中等度陽性Y%…のようにしても良い)報告する場合が多い。

また、種々ある基質のなかでα‐Naphthol butyrateは顆粒状陽性態度を示すため、びまん性陽性態度を示す他の基質を用いる染色法に比較し判定が容易である。

1.陽性率(%)
2.陽性率(score)=アルカリホスファターゼ染色(朝長法)に準ずる

0点陽性顆粒を認めない
1+弱陽性(1点)陽性顆粒5個以内
2+陽性顆粒が数えられる程度(約30個)
または局所凝集性を示すもの
3+中等度陽性(3点)陽性顆粒が多数だが不平等に分布するもの
4+強陽性(5点)陽性顆粒が平等に分布するが隙間のあるもの
5+陽性顆粒が密に分布するもの
※陽性度の標準判定法はないため、NAP染色と同様にしても良いし、また上記のように陽性度合いを弱・中・強の3段階に分類し、点数も各施設で取り決めても良い。

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