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用語解説

ギルヘマトキシリンⅤ

パパニコロウ染色の核染色をおこなう染色液。酢酸を添加せずpHがやや高い状態で標本全体を濃く染め、塩酸分別をおこなう退行性染色液。
生体成分の負(-)の性質である部分(リン酸基やカルボキシル基などを含む部分:細胞核など)に正(+)に荷電したヘマトキシリン(ヘマティン媒染剤結合物:ヘマティンアルミニウムレーキ)がイオン結合し、その部位を赤紫色に染める。

分別

細胞全体に染まっている共染状態のヘマトキシリン(ヘマティン媒染剤結合物:ヘマティンアルミニウムレーキ)を、塩酸溶液で除去する。細胞質に結合していたヘマトキシリンを塩酸の水素イオンが置換し、その結果細胞質に結合しているヘマトキシリンが落ちる。しかし、分別操作を長くおこなっていると、核に結合していたヘマトキシリンも、同様の理由で脱色されてしまうので注意が必要である。

色出し

分別をおこなったままの酸性下では、ヘマトキシリンは赤褐色を呈していることや核との結合が維持できず水素イオンに置換され、ヘマトキシリンが脱色されていく。そこで水洗または中和によりpH値をあげる操作が必要となる。これが色出しである。操作方法としては流水または温水による水洗、リン酸緩衝液や弱アルカリ性溶液による中和がある。水道水による水洗の場合、季節により水温の変化や残留塩素濃度の変化に注意する必要がある。本来の核の色である青~青紫色にはならず赤紫色のときは、水道水のpH値が低いことが考えられる。アルカリ性溶液は、アンモニアアルコールや炭酸水素ナトリウムが用いられる。アンモニアアルコールはpH値が大体pH9~10程度、炭酸水素ナトリウムはpH8~9程度の溶液が一般的と思われる。弱アルカリ性溶液を用いた場合は、アルカリ成分を除去しないと後染色であるオレンジGやライトグリーンなどの酸性色素の染色性が悪くなるので、色出し後の水洗に注意する。

OG-6

酸性色素オレンジGのアルコール染色溶液。オレンジGが飽和に近い状態で溶解している。

EA-50

酸性色素ライトグリーンとエオシンの混合染色溶液。EA-50は、OG-6のようにオレンジGが溶解されている染色液ではなく色素粒子が混合されているだけであるため、濾過をおこなうとライトグリーンやエオシンの量が減少し染色性の低下をまねく。

オレンジG

分子量452.37でスルホン酸基を有する酸性色素。後染色の色素中もっとも分子量の小さい色素。負(-)に荷電しており、正(+)荷電しているタンパク質と結合する。強酸性下(pH2前後)でよく染まりオレンジ色を呈する。pHが中性付近に向かうに従いスルホン酸基が解離しやすくなり染色力が低下する。また、小さい色素であるため細胞質の構築が密な角化した細胞質に浸透して染める。

ライトグリーン

分子量792.86でスルホン酸基を有する酸性色素。塩基性官能基であるアミノ基も有しているがスルホン酸基の方が多いため酸性色素としての性格が強い。オレンジGと同様に強酸性下で染色性が最も強くなる。オレンジG同様の理由で中性やアルカリ性領域では、染色性が低下して染まらなくなる。後染色の色素中もっとも分子量が大きい色素のため、構築が疎な部位に浸透することや、オレンジGからみると拡散(移動性)が遅い。

エオシン

分子量691.86でカルボキシル基を有する酸性色素。オレンジGやライトグリーンとは少し違い弱酸性下(pH5~6)で最も強く染まる。強酸性下では、染色力が低下し染まらなくなる。分子量は前述の2色素の中間に位置するので、部位への浸透も他の色素の中間的な挙動を示すと考えられる。

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